日立東大ラボは、Society 5.0の一分野であるスマートシティを人中心で持続可能なものとするための6つのキーファクターを提唱しています。
これらのキーファクターは、Society 5.0リファレンスアーキテクチャを補完し、あらゆる都市・地域に適用可能な工法と実現手順として、段階的に取り組んでいく上での必須アイテムです。
スマートシティ施策について地域社会が理解を深め、自律的に意思決定に関わり施策を受け入れること
スマートシティ施策について地域社会が理解を深め、自律的に意思決定に関わり施策を受け入れること。社会的な受容は、個人情報に関するルールを遵守すれば済むというような、一律の基準を満たすことで得られるものではなく、地域のステークホルダー間の関係性の中で生まれる、個別性の高いものと日立東大ラボでは考えている。
スマートシティで活用するデータ(個人情報を含むパーソナルデータ、都市の活動に関する非パーソナルデータ)に関し、管理ルールを定めた上で、ルールにのっとり管理すること
スマートシティで活用するデータ(個人情報を含むパーソナルデータ、都市の活動に関する非パーソナルデータ)に関し、管理ルールを定めた上で、ルールにのっとり管理すること。個人情報保護法の遵守といったコンプライアンス面でのデータ管理だけでなく、住民がプライバシー侵害と感じることでサービスの提供が困難となるいわゆる炎上を防止するためのガバナンスも含まれる。
地域課題解決を目的に、多様なステークホルダーや生活者が、実生活環境での実験や試行を通じて共創活動を行う一連の活動、場、あるいはそのための手法
地域課題解決を目的に、多様なステークホルダーや生活者が、実生活環境での実験や試行を通じて共創活動を行う一連の活動、場、あるいはそのための手法。地域の課題探索・ビジョン形成、サービス開発、アイデアデザインといったプロセス全般あるいは一部を対象として活動する。スマートシティ を作り上げていくためには、地域課題を一番よく知る生活者が、他のステークホルダーと共創しながら、その知識、経験、創造性を活かせることが理想であり、リビングラボはそのための共創の場を提供する。
スマートシティの取り組みにより生まれる成果を、人の幸福感や生活の質(QoL:Quality of Life)などの人中心の観点から測る新たな評価手法
スマートシティの取り組みにより生まれる成果を、人の幸福感や生活の質(QoL:Quality of Life)などの人中心の観点から測る新たな評価手法。スマートシティに暮らす個々の住民が、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、という尺度で個人の満足感・幸福感をとらえる。
持続可能なスマートシティをめざし、スマートシティの全体運営を担うにふさわしい知識や技術を有する人財を意識的に育てていくこと
持続可能なスマートシティをめざし、スマートシティの全体運営を担うにふさわしい知識や技術を有する人財を意識的に育てていくこと。
データの横断的活用が広く普及したときに形成される、データを主なメディアとしたデータによる経済圏
データの横断的活用が広く普及したときに形成される、データを主なメディアとしたデータによる経済圏。データ提供者とデータ利用者から構成され、会社や団体などがそれらの間でデータをやりとりしながら、価値あるサービスを提供し、またその価値を消費するような社会のつながりである。
これら6つのキーファクターを都市・地域に段階的に実装していくステップを定義することで、それぞれの都市・地域が人中心のスマートシティをめざした時に、現在地はどこで、次にめざす目標は何かを共通認識できる新たなものさしを提言します。