Subject of Research
研究テーマ

分野:ハビタットPhase1(2017-2019)

都市政策・評価/“Society 5.0”の具現化

ハビタット・イノベーションは、先に挙げた根本問題への対処に取り組む。いずれの問題においても、次の3つの観点で解決策を立案する。 ●構造転換:社会の構造的なコストパフォーマンスを向上させる。政策転換や情報技術基盤の整備により、社会価値当たりのコストが少ない手段への切り替えを図る。 ●イノベーション:徹底して社会的なロスを無くす。データを活用した最適化技術で社会価値に寄与しない余分な資源消費をなくし、社会全体での無駄を無くす。 ●QoL:新サービスでQoL(Quality of Life)を向上させる。データを活用した新しいサービスを生み出し、個々人の人間らしい生活を向上させる。 これらの3つの視点は、人口=人あたりの社会コストを算出する次の方程式で表すことができる。 (社会コスト/人口)=(社会コスト/リソース消費)×(リソース消費/ベネフィット)×(ベネフィット/人口) 右辺各項がそれぞれ、構造転換、イノベーション、QoLを表しており、この式の考え方は、第一項と第二項を小さくすることで、左辺の低減と、第三項の向上を両立させる、というものである。 ハビタット・イノベーションでは、東京大学が持つ工学、社会科学、人文科学などの知の蓄積を活用して、個人レベルのQoLの向上とは何であるかを洞察し、これを向上させるための政策と技術それぞれの役割を明らかにする。一方、日立が持つ社会イノベーション事業の経験を活かし、分野横断でデータを活用するプラットフォーム、社会と個人の便益のシミュレーション技術、長期的な需要変動や潜在的なニーズにきめ細かに対応できる追随性の高いシステムアーキテクチャなどの技術を開発する。これらを持続的なビジネスモデルと政策提言により社会実装することで、Society 5.0の実現を目指す。