Subject of Research
研究テーマ

分野:ハビタットPhase2(2020-2022)

WG15つのキーファクター

QoLによる都市評価

QoL(Quality of Life:生活の質)は、物質量から質への価値転換が起きている現在、「健康」を、身体性のみならず、心理、社会的関係、周囲の環境といった日常生活の質を含めて評価する指標として考案された概念である。本研究はこの概念を都市計画分野に拡張し、スマートシティに暮らす人々のQoLを定量的に求めることにより都市の開発や運用の評価を行おうとする試みである。

これまで都市の価値を測る汎用的な物差しとして緑や商業施設などの面積や数が使われてきたが、これらの適正値はあらゆる人にとっての平均値から導き出されたものであり、必ずしもそこに住む人々の満足につながっているかどうかはわからない。ある都市に暮らす一人ひとりの生活と満足度を観測できるツールとそれに基づいた新しい都市評価指標を開発し実用化することで、技術偏重になりがちなスマートシティ開発を人々の多様な暮らしにきめ細やかに寄り添うインクルーシブな都市へと導くために欠かせないフィードバックとなることが期待される。