道路、上・下水道をはじめとする都市のインフラは老朽化が進んでおり、自治体の厳しい財政環境の中での維持管理が課題となっている。人口減や社会保障といった自治体の解決すべき課題が山積する中、いかに生活の基本となるインフラの維持管理を両立していくかを提案することを目的としている。
生活を支えるインフラは、本来の目的以外にもさまざまな価値を住民の生活にもたらす。
例えば、歩道の幅や段差を整備して、ハンディキャップのある方や高齢者も外出しやすくする施策をインフラ維持管理と同時進行で展開したり、雨水をためる調整池を平常時は憩いの場として整備するといった、従来のインフラ維持管理に新しい価値を付与し、地域の生活水準の向上や付随する効果を発掘することが、このテーマのターゲットとなる。
このようにインフラに起因する価値創造のためには、自治体の置かれている状況を的確に把握し、限られた財政の中で最適な施策を見出す必要がある。私たちは、Society 5.0の掲げるデータに基づいたマネジメントに着目して、地域の課題把握手法とインフラを取り巻く価値創造をインフラの管理データなどを活用して可視化、定量化する研究を展開している。